正楽寺日誌 つれづれなるままに

光いっぱいの朝
光いっぱいの世界

2020年4月

 きょうは 十月三日

 病院の窓の外は 光いっぱい

 若いお父さんが

 よちよち歩きの子どもの手をひいて

 明けたばかりの 朝の

 円山川の堤防を歩いている

 一日のはじまりの 

 この爽快な朝の味を

 ぜひ愛児にもという父親の愛情であろうか

 あの子の お母さんも

 きっと

 家中の窓をみんなあけて

 新しい空気を入れながら

 朝の食事の用意をしているのだろう

 

 光いっぱいの朝

 わたしも やがて

 光いっぱいの世界に帰らせていただける

 きのうの残りの糸も切っていただく

 腹の管も ぬいていただく

 いのちをいただいて

 やがて 

 光いっぱいの世界に

 帰らせていただく。

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