正楽寺日誌 つれづれなるままに

あんたたち 一人ひとりが
光いっぱいの人生に仕上げていく

2026.01

人間は五千とおりの可能性をもって生まれてくるというのが、今日の学者の先生の定説だということです。
せっかく人間に生まれさせてもらいながら、狼にさらわれ、狼のくらしの中で狼に育てられたために、生き方のすべてが狼になってしまっていたという二人の女の子の実話を思い出します。
殺人鬼も、泥棒も、爆弾犯人も、問題少年も、みんな、誰かが、せっかくの人間の子どもを、そのような可能性の方向に突っ走らせてしまったのです。

 

お釈迦さまも、お若い頃、たくさんな可能性の中でお迷いにお悩みになりました。
けれども、遂に、この大宇宙の根源のところで、はたらきづめにはたらいている大きな願い(本願)に目覚められ、この願いに生きる以外に自分をほんとうの自分に育てる道はないことを自覚なさり、それを私たちに教えてくださったのです。

 

うっかりしていると見過ごしてしまうような小さいすみれにも、願いはかけられているのです。
「小さくてもいいのだよ、あんたしか咲かせることのできないあんたの花を、力いっぱい咲かせておくれよ」と。
花のいのちの短い桜にも「花のいのちの長い短いは問題じゃないんだ。力いっぱい咲くことこそが大事なんだ。力いっぱい咲いてさえくれれば、それでかわいいさくらんぼが誕生してくれるんだよ」と、そんな願いの声が聞こえてくるではありませんか。

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