仏事の心得仏事の心得

宗教は誰のもの?1

先日、ご質問をいただきました。

その内容が、多くの方に知っていただきたいものでしたので、この「仏事の心得」でも、ご紹介させていただきます。

それは、「信仰は何故大事なのですか?」というご質問に対してお話をするというものでした。

 

信仰とは、「信じ仰ぐ」ことです。

したがって、「仏教を信仰する」というのは、「私が、仏様の教えを信じ仰ぐ」ということです。

仏様の教えには、「この私」の在り方や心理を含む、この世の不変の真理が説かれています。

例えば、「死」に ついては、「諸行無常」という言葉で教えてくださっています。

「諸行」とは、あらゆる現象・事象ということで「無常」とは、常に変わらず在り続けるものは無いということです。

私たちは年を重ね「老い」を経験していますが、これも「諸行無常」なのです。

このように、日頃「これは仏様の教えです」と言われるまでもないようなことも、仏様は教えてくださっています。

それくらい、仏様の教えは、私たちの生活に深く根差しています。

仏様の教えに示される内容は不変の真理であるため、時に耳の痛いこと、鋭い指摘を受けることもあるかも知れません。

それでも逃れることの出来ないものです。

不変の真理と向き合い、自分はどのように生きていくのか。

心の持ち方や死への恐怖等、科学の力では解決出来ない不安や苦悩と向き合い、仏様の教えに問い続けながら歩む道が真実の宗教であると言えます。

仏様の教えは人生の道しるべとなってくれるものなのです。

仏様の教えは不変の真理でありますが、個々人の人生に落とし込んだ例話を聞かないと、どこか「他人事」のように聞いてしまうこともあるかも知れません。

しかし、決して「誰かのため」の教えではありません。

「私が仏様の教えを信じ仰ぐ」ということを忘れてはならないのです。

そして、その話しを聞く場所としてお寺は存在しています。

この度の永代経法要は総追悼法要であると同時に「教えを聞く場所が、代々に渡り存続するように」という願いと共にお参りをさせていただく法要です。

今一度「何故、お寺の本堂にお参りをすることが大切なのか?」ということを再確認していただき、限り有る大切な時間をご一緒に過ごさせていただきましょう。

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